牛ヶ渕と元九段会館。一部保存してオフィスビルへ工事中。

靖国神社の方から田安門の方にわたる歩道橋のそばに、桜が咲いていました。

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歩道橋のそばに手に取るようにあった桜

その歩道橋から高燈籠ごしに牛ヶ淵の方を見ると、工事中がみえました。

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歩道橋から高燈籠越しに牛ヶ渕の方を望むと工事の様子

田安門橋から工事を見ると、元九段会館の所でした。

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田安門橋から牛ヶ渕を見ると、元九段会館

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工事中の元九段会館

九段会館は「旧軍人会館」で、昭和9年(1934)に、予備役、後備役の軍人の収容・訓練の場として建設されました

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昭和9年 竣工当時の絵葉書。元は靖国神社の敷地でしたが陸軍省の要請で軍人会館を建設しました。

当時流行していた洋風ファサードに城郭の屋根を載せた「帝冠様式」というスタイルを取り入れた建物でした。
昭和11年(1936)の二・二六事件の時には、ここに戒厳司令部が置かれました。
昭和20年(1945)9月に連合軍に接収され、昭和32年(1957)1月まで連合軍の宿舎として使用されていました。
進駐軍撤退に伴い接収解除となった後、国は当施設の払い下げを公示、最終的に日本遺族会に対し無償払い下げを行うことになります。
そして、無償貸与を受けた日本遺族会が宿泊・結婚式場・貸しホール等の各事業を運営してきました。
ところが、平成23年(2011)3月11日 、東京観光専門学校の卒業式の最中に東北地方太平洋沖地震発生。天井崩落で2名死亡してしまいました。
九段会館は、この日以降休館に追い込まれ、同年4月12日 に廃業しました。
そして、平成29年(2017) 土地・建物を東急不動産が落札。この建物の歴史的価値を生かしながら高度利用を図ることとなっています。
工事が進んでいます。竣工は、2022年7月の予定です。

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2019年9月17日 発表の九段会館建替え 完成予定図 (出典:建設通信新聞