朝倉響子作 「フィオーナとアリアン」
教育の森公園は、文京区大塚3丁目にある旧東京教育大学(現在の筑波大学)の跡地に開園した公園です。その中にある令和元年(2019)にリニューアルされた文京スポーツセンターの近くに、2人の女性が座るベンチの彫刻があります。
朝倉響子作 「フィオーナとアリアン」です。平成4年(1992)の作品です。
もうすっかり、まわりの風景に溶け込んでいます。
公園のベンチに、座っている2人の像、とても親しみを覚えます。
ただ鑑賞する人もいますが、眺めるだけでなく、
隣りに座っても良いのだそうです。肩に手をかけて座り写真を撮っている人もいるそうです。
今はコロン禍ですから、鑑賞だけにしました。
とても気に入ってあちらこちらから写真を撮ってみました。「フィオーナとアリアン」
この名前はどこから来ているのだろうと思います。
調べてみると、生前取材して人の文章が出ていました。実際は、取材できず、「事前にお送りした質問に、口述で回答をご準備していただき、そのメモ」ということですが。
「像はすべてイメージで制作したもので特定のモデルはいません。二人の関係は友達です。名前は言葉の響きで決めました。」
そして、「堅苦しくなく、開放的で自然にリラックスして観てください。」
また、こんな哲学的な話も載っていました。
<ふたりの女性が座るベンチ。その間に腰かけると、ふたりがこちらを向いています。どちらが「フィオーナ」で、どちらが「アリアン」なのでしょう?実は、どちらも「フィオーナ」であり、「アリアン」です。人は、「自分の知っている自分」と、「自分の知らない自分」の二人が存在するのです>
ま、いいでしょう。
「散歩の途中、公園でちょっと休憩しながら談笑をしているような、ゆったりとした雰囲気を出したかったのです。」
とてもすがすがすがしい気分になります。
ちなみに、朝倉響子の父上・朝倉文夫制作の嘉納治五郎像が、教育の森公園と繋がっている隣の占春園にあります。