大根でお参りする「待乳山聖天  本龍院」

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待乳山聖天  本龍院

隅田川隅田公園のすぐ近くにある「待乳山聖天」は、好きな神社です。
神社に「好き」というのはおかしいですが、奥浅草という感じで、奥ゆかしい思いがします。

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待乳山聖天」、正式には「待乳山本龍院」と称し、浅草寺をご本山とする聖観音宗の寺院です。
ご本尊は歓喜天 (聖天)と十一面観音。待乳山聖天は「まつちやましょうでん」と呼ばれています。
浅草名所七福神にも入っていて、毘沙門天がお祀りされています。
関東大震災や太平洋戦争により、本堂などの堂宇は焼失してしまい、 現在の本堂は昭和36年 (1961)に再建されたものです。
その歴史は古く、言い伝えでは、推古天皇3年 (595年)9月20日に、たった一夜にして涌現 (ゆげん)した霊山と言われています。
その時に金龍が舞い降り、待乳山を廻り守護したそうです。 浅草寺の金龍山はここからきたともいわれます。
江戸時代、隅田川とあいまって、景色もよく、歌川広重もたくさん描いています。

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広重 東都名所 『真土山之図』

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広重 江戸名勝図会 『真乳山』


●乳山聖天では、大根をお供えします。

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待乳山聖天  拝殿

待乳山聖天 パンフレットに次のように書かれています。
「大根は深い迷いの心、瞋(いかり)の毒を表すといわれており、大根を供えることによって聖天さまがこの体の毒を洗い清めてくださいます。
そしてその功徳によって、 身体を丈夫にしていただき、良縁を成就し、夫婦仲良く末永く一家の和合を御加護頂けます。
大根は心身を清浄にする聖天さまの「おはたらき」を象徴するものとして、聖天さまのご供養に欠かせないお供物とされています。」
2本の大根が根元で引っ付くことから、良縁を成就させ夫婦仲良く末永く和合でいられますようにとの意味がはっきり現されています。
大根は、心身健康、良縁成就夫婦和合を表しているのです。
毎年、1月7日に「天の大根まつり」が開催されています。待乳山聖天の参道で、風呂吹き大根とお神酒が振る舞われます。
聖天様にお供え、清められた大根が頂けます。
待乳山聖天のもうひとつのシンボルが巾着です。
巾着は砂金袋を表しており、事業繁栄、財宝商売繁盛を意味しています。
境内のあちこちに浮き彫りにされているものや、様々な形の大根と巾着に出会います。

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本殿にも、大根と巾着があります。

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 まわりにビルが建ち、山も昔ほど高くはないのでしょう。隅田川も望めないですが、江戸を感じられる聖天宮です。最後にお参りの入り口と、『江戸名所図会』を。

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待乳山聖天  本龍院

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江戸名勝図会 『真乳山』